Windows Vista の導入指南
2007.2.13
掲載サイト:
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●Windows XPからVistaへ

 Windows Vistaが発売され1ヶ月が経とうとしている。皆さんの中にはすでにWindows Vistaに買い換えられた方も多いのでは
なかろうか?大企業、中小企業、SOHOなどでもWindows Vistaへの移行検討作業や導入に向けた作業が進んでいるであろう
この時期にちょっとしたコラムを書いてみる。

●Windows Vistaへのアップグレードは困難?

 多くの営業担当者がリプレース時期にはこう言うだろう。「Windows XPよりもVistaは性能が求められますから買い替えをお勧め
します」と。確かにWindows Vistaは性能が大幅に向上したパソコンを求められるのだが少し考えて欲しいのはWindows Vistaを新
たに導入しても次のサービスパックや次期OSには対応できない可能性が高い最低スペック(最小限動作する)で納入されるのが
通例となっている。例えばDELL。スタンダードで安価なパソコンを買うならここを想像するだろう。だが、DELLのパソコンのVistaア
ップグレード可能なパソコン一覧を見て欲しい。他のメーカーに比べ非常に少ないのが分かる。DELLの場合は確実にVistaにアッ
プグレード出来るもののみを掲載している。もうひとつの理由はカスタマーサポートを簡略したいとの戦略も見え隠れする。実際に
筆者のアップグレード対象外のDELL OptiPlex GX270(Pentium4 2.8BGHz、1GB、HDD40GB、GeForce6200 128MB)でWindows
Vista Ultimate RC2をインストールしてみたが実用的な性能を発揮している。そんなわけでざっとWindows Vistaにアップグレード可
能なパソコンを調べてみた。対象としたのはWindows Vista Home Premium以上にアップグレード搭載可能なものを前提とした。

*マイクロソフトの推奨する最低限のアップグレード条件





サポートされている最低システム要件
サポートされている最低システム要件を満たす PC を使用した場合に、Windows Vista の中核的な
機能を実行でき、基本的なユーザー エクスペリエンスを実現できます。


http://www.microsoft.com/japan/users/vista/system.mspx

●ノートパソコンならメモリ増設でHome Basicにアップグレード可能。デスクトップでも・・・

 すでに中古市場ではPentium4(ノースウッドコア)世代のパソコンが大量に出回っている。企業のリース切れで大量放出された
パソコンが中古市場へ流通している。ノートパソコンはPentiumIII世代とPentium4世代に加えPentiumMの初期世代が市場に流通
しだしているのが現状だ。
 
 まずはノートパソコンでアップグレード可能か考えてみる。企業で使う分にはWindows Vista Businessの機能で暗号化ファイル
システムくらいは欲しい。そうなるとBusinessが最有力候補となるのだがノートパソコンでBusinessを動作させるなら2006年1月
以降に発売した機種に限られてくる。メインメモリさえアップグレードすればBusinessは動作可能だろう。中古市場で出回っている
リース切れのPentiumIIIやPentium4クラスのノートパソコンの場合はメインメモリを最大で搭載したとしても512MB〜1GBでHome
Basicの条件はクリアできるが、Vistaで、もっとも重要なグラフィックメモリは16MB〜32MBと、こちらはHome Basicをぎりぎりクリア
出来るか出来ないかの条件になってしまう。そうするとHome Basic以外に選択肢はXP、2000をそのまま使い続けるほうが得策
ということになる。ノートパソコンでBusinessを動作させるにはグラフィックの条件としてDirectX9.0が対応することをMicrosoftはあ
げている。DirectX9.0対応なのはGeForce Go 5200やMOBILITY RADEON 9600、オンボードならIntel 945チップセット搭載GMA9
50以降になってしまう。Intel 915/910G世代もDirectX9に対応しているのでWindows Vistaは動作可能だが、インテルはサポートを
切り捨てている。

 そんなこんなでVista Businessをまともに動作させるにはかなり機種が限定されてしまう。だが、Vistaのセキュアな機能が欲しけれ
ばHome Basicにサードパーティー製の暗号化ソフトを使うことでBusinessに似た機能の実現も可能ではある。だが、それをするな
ら動作が安定しているXPや2000を使ったほうが仕事の効率がよくなるわけでわざわざVistaにする必要も無い。

 一方のデスクトップでWindows Vista Businessを動作させようとなるとノートパソコンより非常に安価に出来てしまう。先ほど例に
挙げたDELLのOptiPlex GX270の元もとのスペックはPentium4 2.8BGHz、メモリー256MB、HDD40GB、865Gオンボードと平凡な
ものだった。これにプラス15,000円のハードウェアの増設でWindows Vistaが動作できてしまうのだ。Windows Vista Businessをライ
センスで購入してしまえば30,000円前後の出費でWindows Vistaが導入可能となる。今回のOptiPlex GX270の場合はAGPスロット
というグラフィック専用のスロットがついていたのでVistaの性能をフルに発揮できているのだが省スペースタイプの場合はPCIスロ
ットという汎用スロットしかついていない場合が大半でVistaの性能を引き出そうとするのは難しい。そんな省スペースでもVistaが動
作する手段はPCI用のビデオカードを使用することで多くのパソコンでVista Businessが動作可能になる。Pentium4世代であれば
メインメモリーは1.5〜2GBまで増設できる機種が大半で一体型PCやコンパクト(ノートパソコン用の汎用パーツを使っている)PCで
無い限りPCIスロットは装備されているのでVistaへのアップグレードは可能になる。PCIスロット専用のビデオカードの場合はAGP製
品よりも若干価格は高くなるものの10,000円以内で購入可能。


●Windows Vista搭載するパソコンを新たにリースするか既存をアップグレードするか・・・

 はっきり言ってリース年数によるが既存のパソコンをアップグレードしたほうが安価に上がる可能性が高い。リース期限が終われ
ば価値はほとんどないに等しいため業者が安価に引き取るのが慣例となっている。2001年のWindows XP搭載機種発売以降、企
業のパソコンのスペックはオーバースペックと言っていいのが現状だ。グラフィック関連を扱う企業であれば新機種を投入して処理
能力を高める必要もあるだろうが多くの企業はOfficeソフトやメール、Web程度を扱う程度でセキュアな環境を構築してしまえばパ
ソコンのスペックに関してはそんなにあげる必要が無い。当然ながらメモリーやHDD、グラフィックに関してはOSの修正パッチがリリ
ースされる度に見直す必要がある。これは、従業員の処理能力向上に起因するためたえず見直す必要がある。

 例えば、購入当時のメモリーが256MBでXPが動作していたところにセキュリティが大幅に修正されたXP SP2を導入すればメモリは
セキュリティ関連プログラムに大半を費やし余剰がなくなりシステムは不安定になってしまう。こうなるとスワップが多発しOfficeアプリ
ケーションやメールの処理が追いつかなくなりフリーズしてしまう。当然、従業員はパソコンの処理が終わるまで待たなければならな
いばかりか最悪、重要書類が消えてしまうといった事態が起こりうる。これはWindowsに限った話ではなくどんなOSにも言えることな
のだ。

 多くのメーカーは大容量512MB搭載や1GB搭載という広告をうたっているがWindows Vistaの動作の最低条件を満たすだけで実際
にはその2倍はメモリー量が必要になる。Windows Vistaで1GBのメモリーを使用し、Officeアプリケーション、メールソフト、Webブラウ
ザで更にメモリーを消費するというのが通常の考え方なのだが製造コストの関係上最低ラインを消費者に提供してしまうのが現状だ。

 メーカー製のパソコンを使用している場合には「必ず純正を使用してください。」と多くのカタログには記載されているが実態はパソ
コンショップや大手家電量販で売られているバルクメモリ(パッケージ品ではない新品メモリ)を購入してつければ大半の機種では動
作する。バルクメモリの流通ルートにはいくつかあるのだがOEMの流れ物も含まれるため大半の機種では使えるのだ。今やどこの
PCベンダーでも製造コスト削減のためデザインを自社で製作し組み立てや開発は中国や台湾のベンダーに丸投げというのが実情。
DELLは中国で製造し日本に直輸入することでコスト削減を図っている。OptiPlex GX260やGX270にあった不良コンデンサ問題や昨
年のバッテリー問題を見てもらえれば分かるだろうがコスト削減のし過ぎで丸投げしてる現状がよくわかるだろう。これはDELLに限
ったことではなく日本の大手を含めどこのメーカーでもいえることなのだ。企業の場合は安ければ何でもいいとの風潮があるのが大
半なのは経営上インフラ投資は安価に済ませて生産向上を図りたいとどこも思うからだ。そうなるとOS動作の最低限で尚且つ安価な
パソコンとなるだろう。しかし、この状態であれば4、5年後にまた買い替えとなってしまいリプレース時期にはまた新たな負担がやって
くる。
情報インフラは常に最新のデバイスが必要という考え方は近年のオーバースペックにより消えつつある。こうなると大企業以外は年
々費用が増え続け悪循環に陥る可能性が高くなる。これを打破するためにも既存のパソコンの再生を考えることが重要なってくる。費
用対効果は既存の資産を使ったほうがより安価に出来るのが最近の考え方になりつつある。


●結局のところ企業でVistaは必要?

 多くの周辺機器が対応していないためすぐにWindows Vistaを導入するには少々危険だ。特にルーターやプリンタ等のネットワーク
に起因するものに関しては注意が必要になる。また、社員が持ち込むパソコンにも注意を払う必要がある。Windows Vista対応のセ
キュリティソフトは一部を除きまだベータ版(テスト中)のため不具合が起こる可能性が高いものもある。それに、フリーソフトや既存
の業務ソフトがWindows Vistaにはまだ正式に対応していない場合がほとんどだ。例えば、会計ソフトやオーダーメイドのソフトに関し
てはUACに引っかかり正常にインストールできないものが多数出てきている。これはWindows Vistaのセキュリティシステムが危険と
みなしている為、開発ベンダーは早急に対策を行う必要がある。ソフトウェアハウスの多くが機能面、使いやすさを売りにしているた
めセキュリティに関しての対策が甘くなっているのがWindows Vistaでは明らかになっている。当然UACを切ればインストールは可能
になるがそれならばWindows XPよりも甘い貧弱なパソコンがネットワーク上にあることを露呈してしまう格好になるのでなるべく避け
たい。

 企業にとって何が重要なのだろうか?というと、やはり安定した機能を提供するOSと信頼性のあるアプリケーションを扱い、セキュア
な環境、快適な情報処理を従業員に提供することだろう。そうなるとWindows Vistaに移行するのかどうかというのは非常に悩むところ
である。現在使用しているパソコンでWindows Vistaが動作するのか?インストールされているソフトウェアは対応しているのか?周辺
機器は対応しているのか?従業員にとって必要なものなのか?この一つ一つを十分に検証する必要がある。SEやPGにとっても2007
年はWindows Vistaの検証の年になるであろう。今まで自分達が作ってきたソフトウェアがUACに引っかりインストールどころかVistaに
危険なアプリケーションと判断されてしまったら納入企業からすればマイナス評価以上に信頼までも失いかねない。Windows XPと同じ
ように考えるSE、PGも思わぬしっぺ返しにあってしまう。2007年はソフトウェア開発企業にとっては頭の痛い年になるかもしれない。

 結局、Windows Vistaを導入するにしても多くの課題が残っている。まずは社内のSEやPG、IT担当者にWindows Vistaの検証をじっくり
行わせることが大切だろう。過去の資産を引き継ぐならばPCベンダー、納入業者に積極的に交渉をすることでアップグレードの可能性
を探れるだろう。アップグレードに関して疑問が払拭できなかったらその企業との取引は見合わせる覚悟も必要になる。今後、買い替
えで露骨に利益を出そうと目論むPC製造ベンダーと納入する側の企業の戦いが2007年1月30日から始まった。果たしてWindows Vista
は企業側にとってはどう映っているのだろうか。

●余談

 筆者がWindows Vistaへアップグレード可能なパソコンのスペックと費用を調査してみた結果が下記になる。

 2001年

 +デスクトップ+
 CPU:Pentium4 1.6GHz〜Pentium4 2.0GHz → 現状のまま
 RAM:標準 PC133 SD-RAM 128MB(最大1GB〜1.5GB) → 新品がDDR-SDRAMよりも高くなるものの1GBに増設した場合は
                                        15,000円程度で可能
     標準 PC800 RD-RAM 128MB(最大1GB) → 新品が手に入らないため買い替えがお勧め
 HDD:20〜40GB → 現状のまま
 光学ドライブ:CD-ROM → DVD-ROMが必要だがネットワークインストールすれば現状のままで出来るため不要
 グラフィック:AGP4x nVIDIA TNT Venta 16MB → 変更 GeForce 6200(AGP) 128MB、RADEON X1050(AGP)等 8000円程度
         PCI  GeForce 6200(PCI) 128MB、RADEON X1300(PCI)等 9000円程度
 チップセット:Intel845チップセット or Intel 850チップセット
 
 2002年以降

 +デスクトップ+
 CPU:Pentium4 2.0GHz〜Pentium4 3.6GHz → 現状のまま
 RAM:標準 PC2100 DDR-SDRAM 256MB(最大2GB〜4GB) → 新品で1GB増設した場合は13,000円程度
 HDD:20〜40GB → 現状のまま
 光学ドライブ:CD-ROM → DVD-ROMが必要だがネットワークインストールすれば現状のままで出来るため不要
 グラフィック:Intel 845GやIntel865Gチップセット内蔵オンボードグラフィックス 64MB → 変更 GeForce 6200(AGP)
         128MB、RADEON X1050(AGP)等 8000円程度
         PCI  GeForce 6200(PCI) 128MB、RADEON X1300(PCI)等 9000円程度
 チップセット:Intel845Gチップセット or Intel 865Gチップセット
 
 2004年以降

 +デスクトップ+
 CPU:Pentium4 5xx〜PentiumD 9xx → 現状のまま
 RAM:標準 PC4200 DDR2-SDRAM 256MB(最大2GB〜4GB) → 新品で1GB増設した場合は13,000円程度
 HDD:40〜80GB → 現状のまま
 光学ドライブ:CD-ROM → DVD-ROMが必要だがネットワークインストールすれば現状のままで出来るため不要
 グラフィック:Intel 915GやIntel945Gチップセット内蔵オンボードグラフィックス 128MB → 変更 GeForce 6200
         (PCI-E)128MB、RADEON X1050(PCI-E)等 8000円程度
         PCI  GeForce 6200(PCI) 128MB、RADEON X1300(PCI)等 9000円程度
 チップセット:Intel915Gチップセット or Intel 945Gチップセット

 ※参考価格は価格.com調べ
 ※Windows Vistaの価格は別途必要
 ※これは小売店価格のため納入業者の価格とは違います。
 ※あくまでもMicrosoftの動作最小条件を考慮しているもので実際の動作状況によりアップグレードの範囲が異なります。
 ※電源は160Wを最小と判断し、ケースは省スペースをモデルとして価格を表記しています。

以上
 
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